二人は操縦席にうつ伏せているチャーリーの肩をたたいた。
ぐらっと振り向いたチャーリーは死んでいた。

両眼をカッと見開いて眉間から打ち抜かれたように丸い穴
が開き、血が流れ出ている。モハメドも同じだ。

(二人)「チャーリー?モハメド?」

(センター)「キャプテン!何が起きたのか報告してくれ!」

(ジェームズ)「報告します。死者2名生存者2名。生存者は
ジェームズとジャッキー。死者2名はチャーリーとモハメド。
眉間を撃ち抜かれて即死です。原因は何かさっぱりわかりません。

舟は今すこぶる安定していて揺れもなく気分は良好です。SACと
同じスピードでこのまま地球軌道に入ります。SACは淡いピンク
色に輝いていて雲に乗っているような感じです」

(センター)「二人は何で死んだんだ?」
(ジェームズ)「さっぱりわかりません。急にキーンと音がして
すごい嵐と揺れの中、圧力が急速に高まってきて苦しくなり
目が回ってきて思わず叫びました」

(センター)「助けてくれ!と叫んだのか?」
(ジェームズ)「いいえ、ナムストーンと叫んで気絶しました」
(センター)「?」

(ジェームズ)「ふと気が付いたらジャッキーが帰還していて
周りは嵐も止んでとても静かで心地よく、二人でチャーリーと
モハメドを起こしたんですが、眉間を撃ち抜かれ即死のようで」

(大統領)「二人に確認したい。圧力が急速に高まり頭がキーン
となった時ナムストーンと叫んで二人はなぜか助かっていると
いうことだな?」

(ジェームズ)「そうです。その通りです」