「おお、帰ってきたぞ!」



 自分の教室に戻った途端、えらい騒ぎだ。



「おい、朝倉。お前、坂本と付き合ってんのか?」



「はぁ?」



「え、違うの?なんかそういう噂聞いてクラス中で大騒ぎしてたんだけど」



「んなわけないでしょ!」



 少し鼓動が速くなった。



 わたしは自分の席につく。



「…であるから、この式はこうである」



 数学の先生が説明をしてくれているけれど、全く頭に入ってこない。



 ーーーやばいぞこりゃ。頭の中が、和哉のことでうめつくされるぞ。