…なんかわたし悪い事したっけ?


 生徒会長に朝から絡まれているのはなぜ?



「やあ朝倉くん、少しの間顔を見なかったね。元気だったかい?」



「ハァ……」



「ほれ、朝倉くん、修学旅行のおみやげのストラップ。広島に行ってきたのだよ」



「おぉ……」



 生徒会長である宮崎遥香さんは、とてもボーイッシュな方だ。皆からの支持も圧倒的で、会長になったときの選挙の投票数は過去最大だったとかーー。

 
 ルックスも成績も良く、皆からの注目を集める。


 校内を颯爽と歩く姿はとても美しく、かっこ良かった。



「ありがとうございます!」



「うん、またな」



 わたしはひとまず元気にお礼を言って、教室に戻った。





「で……。ストラップを生徒会長さんからもらったと……」


 隣から聞こえる芽衣の感嘆の声。



「ミワ!あんた人気者じゃない!」



「…そうか?」



「そうよ!」



 芽衣は頷いてから、にやりと笑った。「マドレーヌあたしと作った日さ、あたしと別れた後、坂本くんとなんかあった?」



「…内緒。どっかからなんか聞いた?」



「んー、ちょっと部活仲間からね。ほらー、やっぱりなんかあったんだよ~❤」


 
 顔が熱くなるのを感じながら、シャーペンの芯を出す。