「ああ。そーだよ」
「なん…で。」
あたしはいまだに怖くて声が震えた。
「あん時は、マジで悪かった。怖い思いさせたいわけじゃなかった」
あ、わざわざ謝りに来てくれたのかな?
「んでさ、俺お前の母さんに頼まれてることがあって。……お前の親達海外旅行するみたいでさ、俺ん家で預かってって言われたんだけどさすがに……な?」
え、お母さん達海外旅行行くの?
あたしでも聞いてないよ。
「あたし、いざとなったら裕太の家行くもん!」
阿南とか危ないし
「あーわかった。」
「あ、イルカショー始まってる!」
イルカ可愛いなぁー。
ピンクに、白。色も可愛いよね
「なぁ、沙希。てかお前一人できてんのか?」
ぎくっ………
「いや、裕太と来てるけど…?」
「いや、でも一人じゃん?
まさか振られた…とか?」
そんなことあるかあほ!
と言ってやりたい
「ちょっとね。色々と事情が…。」
はぁぁぁ。どーしよ
「そっか、もーすぐでイルカショー終わるし俺帰るな」
え、帰っちゃうのか。
あたしこの後どーしよ
裕太も帰ってる…でしょ?
「うん!じゃーねー」
あたしは手を振って阿南が帰っていくのを見届けた。
『ピーンポーンパーンポーン イルカショーをみていただきありがとうございました。』
あたしは荷物を持って外に出た
と、同時に。

