ひだまり


ローファー履いてるからコツコツとおとがなる。

トイレに入ってすぐにきづいて皆がこっち向く。
私を見た瞬間速効ヤバッみたいな顔してる。
花沢さんはポカンとしてる。



「な、なによあんた」

苛めてるグループの一人が私に威嚇してくる。

「それはこっちの台詞。なにその手に持ってるの」


苛めてるグループの一人が花沢さんに向けてバケツを持ってる。

たぷんたぷんとバケツの中にはいってる水が揺れていた。

「あんたに関係ないじゃん?」

「なに?文句あんの?」

「あんたに出る幕ないでーすかえれー」

なんて口々に苛めグループは騒ぎだす。

嗚呼…怖い。
でも止めに入ったからには最後までやりどげなくちゃ。

私はずかずかと入っていき花沢さんの前まできた。

言い合いになっても私は負けるだけだ。早く逃げた方がいいだろう。

「大丈夫?」

花沢さんに話しかけると花沢さんはぱぁっと安心した顔になり
「はいっ!」と元気な返事をした。

何処までも健気なんだそう思った。

早く逃げよう。私だってこの人たち怖いんだから。

そう思った瞬間、


ざばぁっと音と共に頭から冷たい水が流れてきた。


どうやら水をかけられたようだ。

位置的に私が花沢さんの盾になったのだろう。
花沢さんはあまり濡れていなかった。私だけずぶ濡れ。

ポタポタと髪から水が滴り落ちる。

「あ、あの…」

花沢さんはおろおろしている。

「調子のってんじゃねーよ!!ブスが!!おめぇもこいつみたいにいじめられてーのかよ!!」

背後で私に水をかけた女が言った。…なんで私がこんな目に…。

私はとりあえずポケットからスマホをだして確認した。

よかった…まだスマホ生きてる。

私は振り向いてそいつらにスマホを向けた。

写ってるのは動画の画面。

「これわかる?もしものために撮ってたの。これで先生にだしたらどうなるんだろ?」

そう責めるとそいつらの顔はどんどん青ざめている。

「逃げるなら今だよ?」


そう言った瞬間苛めたグループの奴らは舌打ちしながらバタバタと逃げていった。