弁当箱を見る限り手作り弁当。結構ての凝った弁当だ。

…お母さんが心込めてつくってんだろーな。


(うらやましい…)

急によみがえってくる思い出。


あれは、小学生のときー…

遠足のときとか嫌だった。行きたくなかったけど家にいるとお母さんの機嫌を損ねてしまうからいくけど、本当に嫌だった。


「ねぇみてみてーお母さんにお願いしてサンドイッチにしてもらったのー♡」

「いぃなぁーー!!私タコさんウインナーはいってるよ!!」

「うぇー!やだぁトマト入ってるー!ママのバカーっ!!」

友達みんながお弁当広げてきゃっきゃしてるのを毎回指を加えて見ていた。

グーーっとなるお腹を抑え惨めになる。

いいな、私だってお弁当食べてみたい…

「あら?葉山さん?お弁当は??食べないの?」

急に先生に問いかけられて慌ててしまう。

咄嗟に私は嘘をつく。

「お、お腹いたくて…」

「大丈夫?保健室の先生よぶ?」

「だっ大丈夫です!ありがとう先生」

無理やり笑顔を作って誤魔化す。

言えない…………………………作ってもらえないなんて。








悔しくて言えない。