キミさえいれば

2年前、母さんと一緒に必死に探した保育所。


役所に何度も何度も足を運んで。


やっと決まった保育所だった。


学生の私にも、ここの保育所の先生達はみんな優しくて。


ここを離れるのは、すごく寂しい……。


「里穂ちゃん、元気でね。

駒沢先生のこと、忘れないでよ~?」


そう言って子供目線までしゃがみ込む駒沢先生。


「忘れるわけないでしょう?

里穂は駒沢先生が大好きだよ」


そう言って里穂は先生に抱きついた。


「いや~ん、里穂ちゃ~ん」


里穂はどこへ行っても可愛がってもらえる。


天然なのか、計算なのか。


実際のところ、よくわからないんだけど。


「あっ、パパー」


「パパ?」


里穂が叫んだので、駒沢先生がビックリして目を見開いた。


里穂の視線の先を見てみるとそこには。




私の愛する



たもっちゃんが立っていた。