「黒崎さん。

年始はいつからお仕事ですの?」


「うちは4日からなんです」


「そうなんですか。

私は5日からなんです」


母親同士が会話をしている。


どっちも血は繋がっていないけど。


なんか不思議な感じだよな。


「あ、そうだ。母さん」


「「なあに?」」


二人同時に返事をされて、ドキッと心臓が跳ねた。


「あ、えと。凛の母さん」


「あ、あぁ……。なにかしら」


「今の仕事って、いつまで続けるの?」


夜の仕事だもんな。


きつそうだし、実はずっと心配だった。


「そうね。

ひとまず凛が出産するまでかしら。

友達のお店だしね。

そう簡単にはやめられないわ」


「そうなんだ……」


母さんにも幸せになってもらいたいな。


そんなことを言ったら、母さんは怒るかな。