キミさえいれば

翌朝。


母さんが再び黒崎邸にやって来て、五人で近所の神社へと足を運んだ。


元旦だけあって、かなりの人で賑わっていた。


私はたもっちゃんと一緒に境内を歩き、お賽銭を入れて参拝した。


「凛、これあげる」


そう言ってたもっちゃんが白い包みを渡してくれた。


「なあに?」


「開けてみて」


なんだろうと思い開いてみると、中には『安産御守』と書かれた桃色の袋が。


「これって……」


「うん、安産祈願のお守り。

凛と赤ちゃんを守ってくれるようにね」


「たもっちゃん、ありがとう。大事にするね」


私がそう言うと、たもっちゃんがにっこりと微笑んだ。


「母さん達はどこに行ったのかな?」


「あー、あそこで三人でおみくじを引いてるよ」


「なんか楽しそうだね。何が出たんだろう?」


「俺、今年は引かない。

大事な年だし。

悪いのが出たら、気分悪いし」


「私も今年はいいや……」


凶なんか出たら、すごく気になっちゃいそうだもの。