キミさえいれば

「なに? 洋二さん」


母さんが答えると、お父さんは真剣な顔をして母さんの顔を見た。


「保と凛は、こんなに愛し合ってるんだ。

保と凛に、本当に事を話してやらないか……?」


父さんは静かに言った。


「だ、だめよっ。そんなことをしたら、保が傷つくわ」


そう言って、母さんが大きく首を横に振った。


何……?


一体、何の話なの?


「もう保は充分傷ついてるよ。

教えてやらないと、保も凛も一生苦しむことになるんだよ。

それでもいいの……?」


父さんがそう言うと、母さんはぎゅっと目を閉じた。


そして、大きなため息をついた。


「……そうね。

教えてあげていたら、凛が自殺を図るようなことは、なかったはずだものね……」


母さんは近くにあった椅子に倒れるように腰を下ろした。


お父さんは私と先輩の近くにそっと近づいて来ると、静かに言葉を発した。


「保……。凛……。

二人に隠していたことがある……」


私と先輩は顔を見合わせた。