キミさえいれば

「凛……」


母さん……。


「馬鹿よ、凛。

自分で死ぬなんて、最低よ。

母さんより先に死ぬなんて。

絶対許さないわ……」


母さん、目が真っ赤だ。


髪も乱れて、メイクも落ちて……。


「……母さん、ごめんなさい……」


私の声に、母さんはその場に泣き崩れてしまった。


その母さんの後ろに、立ち尽くす先輩の姿が見えた。


「凛……」


苦しそうに目を細める先輩に、私の涙腺はすぐに崩壊してしまう。


先輩はゆっくり近づいて来ると、横たわる私に覆い被さり、ぎゅっと強く抱きしめた。


「凛、どうして?

どうして俺を置いて死のうとしたの……?」


震える声を漏らす先輩。


「先輩、ごめんなさい……。

私、お腹の子だけを死なせたくなかったの。

だから、自分も一緒にって……」


私の言葉を聞いた先輩が身体を起こす。


椅子に腰掛けると、私の頬に手を置いた。


「どうして凛だけ死なないといけないんだ。

凛が死ぬなら、俺も一緒だろ?」


「先輩……」