「大亮がした事は、決して許されることじゃない。

だから、無理に許さなくていいよ。

アイツ、根はいいヤツなんだけど女グセが悪くて。

もう二度とこんな事がないように、俺がよく言って聞かせるから」


そんなことを言われても、ハッキリ言ってもう二度と会いたくない。


出来れば、もうここには足を運びたくないくらいだ。


「あの、さ……」


急に私から視線をそらす生徒会長。


どうしたんだろうと思っていたら。


「そろそろボタンを留めてくれないかな。

目のやり場に困るから……」


気まずそうに言って、生徒会長が頬を赤らめる。


私は慌ててブラウスのボタンを留めた。


やだ、もう。


恥ずかしくて、消えたい……!


「さすがに誰とでもってわけじゃないんだな」


「はい?」


一体何の話?


「それは当然だよな。

いくらなんでも誰でも良いだなんて……」


生徒会長が言ってる意味がわからなくて、コテンと首を傾げてしまう。


「だとしたら、白石が応じる男ってどんなヤツ?

大亮とは真逆の真面目そうな人とか?

なんか、それはそれで混乱する。

この前、俺のこと“たもっちゃん”って呼んでたけど、あれって。

もしかして、本当に俺に興味があったとか?」


「…………っ」


なんで。


どうしてそんなことを聞くの?


助けてくれたから、この人は私の変な噂を信じないんだって。


そう思って、内心嬉しかったのに……!