保と凜は、小さい頃から本当に仲の良い兄妹だった。


保はあなたの面倒を良く見てくれる、優しいお兄ちゃんだったよね。


そんなお兄ちゃんを凛もすごく頼っていたし、大好きだったよね。


そんな仲の良い二人を見ているのは、母さんも微笑ましかった。


だけどね。


凛が小学校の高学年になった頃からよ。


母さん、保に少し違和感を感じていたの。


凛を見る目がなんていうか……。


妹を見る目じゃなくて、恋をしている……。


そんなふうに見えるようになったの。


近所のハヤト君とのケンカも、日増しにひどくなっていったよね。


母さんはハヤト君が凛を好きなのを知っていたし、そこまで気にしてなかったんだけど、保はハヤト君に対してすごくムキになっていた。


保は妹を守らなくちゃっていう使命感からの行動だったのかもしれないけれど、保のあまりに必死な態度に近所の人も噂していたの。


保君が凛ちゃんに恋してるって……。