私達は少し自転車を走らせ、道場の近所の河原へと足を運んだ。


自転車を停めると、コンクリートの上に腰かけた。


足元には雑草が広がっていて、目線の先には大きな川と、何棟も建ち並ぶマンションが見える。


「凛、何かあったのか?」


先輩が心配そうに私の横顔を見つめている。


私は少しの間、目を閉じて小さく深呼吸をした。


「先輩……。母さんにバレた」


「え……?」


先輩の顔がみるみる強張っていく。


「お父さんとお母さんの離婚の理由もわかったの……」


「ほ、本当に? 何だったの?」


私は、夕方母さんに言われた事を、そのまま先輩に伝えることにした。