僕は彼の姿を見かける度、
自然と笑顔になっていた。

彼と話すのは楽しい。


気を遣わせるのはあまり良くないけど
少し会話するくらいはいいかなって。

もっとも、
本当に少しなわけではないのだけれど
ただの他愛もない会話なら。
という意味だ。


本当に純粋に彼と
親しくなりたかったから
LIN○を通じて会話もしてみた。

彼はLIN○の方が話してくれた。

多分、口下手なのだろう。

だから、すぐに
相槌を打ってしまうのだろう。

自分の意見を言わない訳ではないが、
あまり言わないから、
考えがとても読みにくい。

メールアドレスを聞き出す努力も
それなりにしたからか、
メールアドレスは聞き出せた。

彼はあまり深く人と
関わろうとしないから
どうやって親しくなろうかと
考えあぐねていた。


だけど、僕が悩んでいたとき。

勇気を出して彼を頼ってみたら
彼は彼なりに僕を助けてくれた。


だから、手伝えるなら助けられるなら
手を差し伸べるようになった。


というか、親友とも似たような感情を
彼に抱くようになっていた。

だから何かお菓子を作ったら
渡すようになったのかな。

最初はものすごく、
恥ずかしくてなかなか渡す勇気が
出なかったものだったな。

今も、恥ずかしい..けど。


食べてくれているときの表情を
想像しただけで自然と口元が
緩んでしまうくらい、嬉しいのだ。

ベルトコンベアのように
流されるのが少しばかり癪だけど。

それに、時折敬語になっているから
あんまり仲良くなれてないのかなと
心配してしまう...なんか淋しいのだ。

でも、仲良くなれていないのかなと
思っていたら、急に構われて
驚きと喜びが隠せない。


答えの本を貸してとの事だったが、
それでも他の子にも借りれそうなもの
なのに、一番に僕に話しかけてくれた
ということが嬉しくて堪らなかった。

なんてことない、
本当に気のないものだったろうけど

それが僕にとっては
一番、喜ばしいことなんだ。

「出逢えて良かった」

心からそう思える。

ただそう思うのは、
僕だけなんだろうけど。


「友達になってくれませんか?」


そう言って僕は彼に答えを求めた。

彼はいいよって答えてくれたんだ。


それが例え、彼の優しさだとしても
そうでもね、そうだとしてもいいんだ
ただ彼のことがね好きだから。

関わり合いたいと思うし、
仲良くなりたいと思ったし、
甘えて欲しいと思っているから。

最近、友達にね、
仲が良くて楽しそうとかね
言われるようになってきたんだよ。


ただ、小さな幸せを大きな幸せに
感じられることが何よりの幸せ。