ひとりでに

高校の駅に着くと、目が止まってしまった



せんぱい、いるんじゃん



同じ電車、乗ってたの?

なんで、六両目、じゃなかったの?

わたし、待ってたんだよ



せんぱいのばか

早くわたしの気持ちに気付いて



そう思ったら

足が速くなって

せんぱいを通り越して

ずっとずっと早く歩いて

ずんずん先に行ってしまった



わたしのオオバカ

こども

あほ

こんなのしたかったんじゃない

せんぱいのこと待ってたんなら

ずっと待っといたら良かった

せんぱい、将来がかかるセンター試験

終わったところなんだよ

こころ、それどころじゃないんだよ