気にしないことにして私は家に帰り、レシピブックをみてバレンタインになにを渡すか考えた。

*ハートのココアクッキー*
*さくらいろの簡単ゼリー*
*カラフルトリュフチョコ*

どれもみんな美味しそうで、甘党の康太には喜ばれそうな料理ばかりだ。

あれこれ30分ほど悩んだ末、得意なクッキーを作ることに決めて近所のスーパーマーケットに買い出しに行った。

バレンタインコーナーを覗くと既製品の可愛らしいチョコが沢山並んでいて、私は思わずこっちをあげようか迷った。

バレンタインコーナーを何周もしてどうしようか迷っていると、不意に誰かが声をかけた。

「美穂!誰にあげるの?」

振り返ると、冬休みにあったきりの幼馴染み、愛がそこにいた。

「愛!?久々だね!」
「久しぶり!んで?チョコは誰にあげるの?」
「愛にいってなかったね。彼氏出来たの。」
「いつの間に?」

愛は驚いて次々に私に質問を投げ掛けた。私がなんとか答えると、愛は満足したようにおめでとうと言ってくれた。

「愛は彼氏いないの?」
「いないけど、明日コクるんだ。」
「愛、頑張ってね。絶対成功するよ!」
「ありがとう!じゃあそろそろ帰るね。」
「またね!」
「またね!」

愛と話して改めてバレンタインに気合いが入った気がした。