PINKY DAYS

「結実ーーーっ!!」

由葵が、雨の中私をずっとずっと呼んでいる。
叫んでいる。

それだけで胸がいっぱいになって、耳を塞いだ。


何にも、分かってないくせに。



私は、返事をしないまま由葵の目の前に立ちふさがる。

「結実ッ!」
由葵が手をのばして私に触れようとする。

「こんなにびしょびしょになって・・・。」


私は、一度由葵を睨む。

「さわらないで!」

由葵がハッと私の顔を見て、怒っていると初めて知ったような、なんともいえない顔をした。

「結実?どうしたの?」

由葵は、手が震えている。


「私、由葵のそんなところが嫌。」



「結実・・・。」