初夏の日差しが少しずつ強くなっている、5月の半ば。

風光る爽やかな空。

学活の時間。
私は眠たい顔で先生を見る。
耳は機能していない。あまりの眠たさにお手上げだ。

黒板には“体育大会の説明・係決め・選手決め”と書いてある。

え!?

私はその言葉を読み、唖然とした。


体育大会・・・。


私は、体育大会にいい思い出はない。
もともと、体が丈夫ではなくて見学ばかりしていたし。

徒競走では万年ビリだし。


この憂鬱な季節、どうやって楽しめばいいの・・・?

途方に暮れていた。


先生は、体育大会の説明をみんなにしている。

もう、早く終わってよ・・・。


由葵がこっちを心配そうに見てくる。

ごめんね、心配はさせたくないんだけどね・・・。

ハァ・・・。