家に帰ると、ちょうど親は地区のパトロールでいなかった。


静かだった。


私は、制服にへばりついた泥をお湯でとろうとしていた。


さっきまでずっと泣いていた。

でも、今は涙が一粒も出てこない。



私は妙にあっさりしていると、昔だれかに言われた気がする。


卒業式の日も、涙ひとつ出なくて・・・


式が終わり、体育館から出るともうすでに笑っていたのだ。



あぁ、どうして私はこうなのだろう。




・・・由葵?
君は絶対今私より辛いでしょう?