A SONG FOR

パチッ… パチパチパチ…

拍手が起こった。


あたしは目を丸くして、ドアの方へ目を向けた。


満足そうに微笑む男性。

なんだか見たことあるような顔だった。

「いやぁ… 素晴らしい歌だった!」
その男性が口を開いた。

「えっ… あのぉ…」

「おっと、失礼。 紹介が遅れたね。わたくしは こういう者です。」
そう言って名刺を差し出されて、あたしは衝撃を受けた。