A SONG FOR

え⁈ 驚きと衝撃の反射神経で、あたしは唇を離そうとした。


「ん⁈」でも、離れない。
光は強く背中を押してきて、離れられない。

数十秒ほど経った頃

やっと唇が離れた。

「な… なんなんですか⁈ 」

「おもしれー反応。」
クスッと、無邪気な顔で笑った。
その笑顔にほんの少し、きゅんとしたような気がした。

「俺 今から収録あるから行くわ。引き留めて悪かったな。
あと…

さっきの歌番の収録見てたけど、あんた、いい声してたよ」

ふいに耳元で そう囁いた。

じゃあなと言わんばかりに去って行った。

赤くなる。いまあたし、どんな顔してるんだろう⁈ トマトより赤いんじゃ…

急に優しく囁く光に明らかに魅力を感じた瞬間だったのだ。