A SONG FOR

HEARtミュージックアカデミーレコード•芸能事務所がイチオシする、特別な存在だ。

だからアイドルに詳しいワケでもないあたしさえも、さすがに知っていた。

「あんた… うちのHEARtミュージックの新人だよな?」

「は…はい、HEARtミュージックです」

「藤井プロデューサープロデュースらしいけど… 実力、本当にあるのかねェ…?」
光が不敵な笑みを浮かべた。

カチンときた。

「実力…? そんなの自分じゃわかりませんよ」

「あのなァ…、」
いきなり顔を近づけてきた。まるで、あと1cmでも近づいたら唇が触れてしまうぐらいの距離ー…

なっ、なに⁉︎

「あのなァ、実力のある人間は自分の実力がどれぐらいなのか ちゃーんとわかってやってんだよ。 自分の実力さえわかんねェなんてあんた終わってんな?」
光は鼻で笑った。

言い返そうとした、その瞬間



チュ…

⁈ 唇が重なった