今の話、聞かれた……!?




「辻村、……」



驚いた表情で固まる波岡くん。



どうしよう、別れたのにまだ好きだって思ってるなんて知られたら……っ。



しかもあんなに潔く別れを告げたのは私なのに……!






波岡くんにはもう合わせる顔がなくなって、気がついたら逆方向に走っていた。




「辻村!」




そう大声で呼ぶ波岡くんから、逃げるように。