「いや、たいした理由はないんだけど……」



そう言ってポケットからカサコソとなにかを取り出す森田くん。



「……?」



そして目の前に出されたのは、小さな白地のメモに、なにかが書かれているもの。



もしかして……。



「よかったら、メールして」



やっぱり、アドレス……。



森田くんは、じゃ、と言い残して屋上を出ていった。



……てか、なんで今!?



しかもわざわざメアドなんて書いてよこすなんて……!



ちょっと、っていうか、かなり驚いてます。



隣には、購買のサンドイッチを口の前にもってきたまま固まる遥の姿が。



そりゃそうだよね、うん。



私が一番驚いてるってば。