「…まあ」







ああ、神様って…残酷な人。



そのあいまいな言葉の中には、私へのめんどうな気持ちがこもっているように聞こえた。






「そっか…」




「…じゃ」




「まっ、待って…!」





帰りそうになった波岡くんの腕を掴む。



彼の周りにいた女の子たちは、私を目を見開いた状態で見る。





「…なに」



「お願いが、ひとつあるの!…それだけ、聞いてほしいからっ。だから、ちょっとだけでも、今日…話したいっ!…お願いっ」





お願い。



こんなワガママ言うのも、きっとこれが最後だから。







「わかった。…一緒に、帰るか」






私は、小さくうなずいた。