湊斗はそう言って、

教室を出て行ってしまった。

あたしは、ただただ

立ちすくむことしかできなかった。

言葉が出なかった。

「うぅっ、ふぇ、ふっうぅ。」

あたしの目から、

大量の涙が溢れ出た。

「みなっ、とぉっ。

あたしっ、みなとのこと

すきだよお。ふっ、ふぇ。」

好きなのに伝わらない。

好きなのに言葉が出ない。

好きなのに動けない。

あなたが好きなのに…

あたしはなにもできなかった。