だとしたらー…


母さんにとって、一番邪魔なのは僕だ。


先生は、僕の病気は予想以上に急激に進行していて、もしかしたらー…


約80%の確率で、17までは生きられないかもしれない、と言っていた。


だとしたらー…僕の命はあと一年か。


どうせ点滴と注射を繰り返していくだけの一年なんだろうな。


だったら死んだ方がましじゃん。


僕には何もできない。


他の子達みたいに元気に走り回ることも、学校に行って勉強することでさえ。


僕は激しい激痛に顔を歪めながら、ゆっくりと起き上がった。


そして側に置いてあった果物ナイフを手にとる。


母さんが桃を切るために置いていってくれたものだろう。