春夏秋冬ー君と過ごした一年間ー

こわくないわけじゃない。

だけど、あんな母さんを見るぐらいならー…


僕は覚悟を決めて、ナイフに力を込めた。


その時ー…


「死ぬの?」


ふいに頭上から声がした。

僕はあわてて顔をあげる。

僕の目の前に立っていたのはー…女の子だった。


綺麗な栗色の髪を揺らしながら、僕を見下ろしていた。


この子…勝手に入って来たのか。


ここは個室になっている。

無断で入るのはどうかと思うんだがー…


「あんた、死ぬの?」


女の子は僕の手にしているナイフに視線を落としながら、はっきりした口調で言った。