ここは、水の国 ”アクアティア王国”。

溢れる水に、草木。
不自由なく暮らす民たちの国だった。

そんな恵まれた王国に一人、美しい王女がいた。
名前はティアナ。
優しく、気丈な彼女は民からも慕われていた。
彼女には、想い人がいた。
アクアティア王国と同盟を結ぶ、貿易大国 ”リトシア王国”の王子だ。
互いに協力し合い、国を支える二人。
遠くから見守る王や女王、付き人たちは惹かれ合っているのだ、と。
そう思っていた。