―― え?














マネージャーを、辞める……?












それだけは…
それだけは……!




「いやっ!!……です…」






「はぁ?
いや?

あんたが、祐くんに関わるのが悪いんでしょうが。

美人だったり、かわいいならまだしも、よ?

あんたみたいな、チビでお子ちゃまが関わってるとかムカつくのよ!!」







そりゃ、お子ちゃまですよ。

確かに、矢口先輩は綺麗だ。

スタイルもよくて、顔もビューティーだし。
背も高いし。



私なんかとは、正反対ですよ。



桜井くんと関わってる、麗華だって綺麗だし……。



だからたぶん先輩も、私にしか言わないんだと思う。





「私は、先輩や麗華みたいに綺麗じゃないです……。
でも、マネージャーは譲れません…!」







「なに?
ナマイキ……ってか、うっざ。

その天然ちゃんキャラ、まじウザイんですけどー。」



先輩は、私を笑ながら、目を見据えて言った。






「……そんなに嫌なら、条件、あげるよ。」




「条件……?ですか…?」




「そーねぇ……。


祐くんに関わるの止めて。






さもないと……これ、陸部の部室にばらまくから。」




― それっ……!








先輩が手にしていたのは、タバコだった。




「こーんなのがバレたら、陸部は廃部よねーぇ?




……さぁ、どうする?

あなたが祐くんと縁を切って関わらないって約束するなら、ばらまかないであげる。


もちろん、佐々木麗華や周りの人に1人でも言ったらばらまくから。




陸部のマネージャーも、辞めさい。


また三日後、聞きに行くから。


せいぜい覚悟を決めておくことね。」