私たちが教室へと向かう途中、階段を上がり終わって、学年の廊下を歩いていると。





後ろから、視線を感じた。



...ん?




気になって後ろを振り向いてみた。


(誰もいない...?)


すると、キョロキョロとしている私を不思議に思ったのか、桜井くんが

「水沢?
どーした?」

と心配した様子で、背がチビな私を少し見下ろしてきた。



(気のせーだょね..
誰もいなかったし)


「ううん。
なんでもなぃ!」



私は桜井くんに笑顔を向けながら言った。


「そぉ?」 なんて言う桜井くんと一緒に、少し前を歩いていた松田くんと麗華のもとへと行った。