3人とも全力で走って、走り終わったら呼吸を整えた。



「水沢…、お前速すぎじゃん…

なんでスプリンターやんなかったの?」


桜井くんが不思議そうにして私をのぞきこんできた。


もちろん、1位は桜井くん。

2位が私で、3位が颯くんだった。





「いやいやっ…

桜井くんのが全然速いよ!」



「さっすが春〜♪


ま、高跳びなら誰にも負けないけどね♪」



なんて笑っている颯くん。










「俺の本気、見てろよ?」













私の長い髪を耳にかけると、耳元で囁いてきた颯くん。









「もー、颯くんったら!」

全然変わってないなぁ、って思った。






「やっぱり春、鈍感だね。」



なんて失礼な言葉を残して颯くんは帰って行った。