颯くんは、私に駆け寄るとぎゅっと抱き付いてきた。
「はるっ!?
ほんとにはるなんだね!
久しぶりだなぁ〜♪」
「ちょっ…!
颯くん!
苦しいよ〜!」
颯くんが星林にいたなんて知らなかったなぁ…。
「あっ。桜井くん!
この人は私の幼なじみの
北山颯 (キタヤマ ソウ) くんです!」
私が紹介すると、
「初めましてー♪
春の幼なじみの北山 颯です!
よろしくねー」
颯くんは、明るくて少しチャラチャラしてるけど、いい人なんだぁ。
「水沢の幼なじみ?
はじめまして。
桜井 祐輔です
よろしくな!」
…相変わらず爽やかだなぁ。桜井くん。
「爽やかくんだねぇー♪
……春の彼氏?」
少し探るように聞いてきた颯くんに、全力で首を横に振った。
「ちっ、違うよ!
桜井くんとは同じ部活で、仲良くしてもらってるの」
「春、もしかして部活って陸上?」
「うんっ!
私はマネージャーで、桜井くんはスプリンターなんだけど、すごく速いんだよ!」
