「はる?」 グランドに着いたとき、後ろからそう聞こえた声に、私と桜井くんはほぼ同時に振り返った。 「颯、くん……?」 「やっぱり、はる!?」 「颯くんっ!!」 颯くん、というのは私の幼なじみ。 家族ぐるみで仲が良くて、中学生のころまではよく遊びに行ったりしてた。 でも高校に入ってからはお互い忙しくて、連絡をすることも少なくなっていたしどの高校に進学したかも知らなかった。