本当はこの子の前にもう一人、子供がいたはずだった。


妊娠9ヶ月にもなって死産してしまった。
寒い冬の日の出来事だった。


性欲の並外れた夫はかなり、大きくせりだした妊婦に連日、セックスを強要した。初めての妊娠で不安定だった気持ちがさらに悲しくなった。


布団を分けて、私の布団にはあまり暖かな配慮をしなかった。布団に入ってほしくなかったのだ。


お腹の赤ちゃんは事前に女の子であることがわかっていた。この事も私を憂鬱にさせた。
本来、喜ぶべき小さな命を憎みすらした。


母として最低だ。

私は怖かった。

夫は顔立ちの良さに自信があり、私の容姿を卑下していた。生まれてくる子供が女の子なら、お前に似て悲惨だろうな、目付きが悪く色黒で可哀想だな。


こんなひどい言葉を我が子にかけるつもりなのか?


悪魔だ。



私は編み物をしたり音楽を聴いたりしながら落ち着こうとしたが、いつも、ひやひやしていた。苦しくてろくに買い物にも行けなくなった。


嫁さんの親が出産の準備をするのが、当たり前だろう?
何をやってるんだ?


一緒に産婦人科に行くことはなかった。
エコーに映る写真すら見ない。


こんな人の子供に生まれて幸せだろうか?
しかも、女の子。私みたいに中傷されるだろう。
ごめんなさい。お腹をさすりながら謝り続けた。