そよそよと吹く風。



その風は私を撫でるようで。


そして何かを伝えようとしているようで。





あれからもう2ヶ月が経つ


いつも春菜と大河が一緒にきて
30分遅れて竜二がくる。




なんでこの子達は私に優しく接してくれるのだろうか。
ふと大河は目が合うといつも必ずそらす。
目が覚めた次の日大河が呟いた言葉が
まだ胸の奥でもやもやしている。




『ごめんな……ごめんな飛鳥。
にーちゃん約束守れなかった。』





なぜないているの?





寝ていた私が起きたとは気づかず
携帯を握りしめたまま泣いていた。





人の涙が、こんなに胸を苦しくさせるものなのだろうか。
知り合って間もない彼を、こんなにも支えてあげたいと思う私はおかしいのだろうか。




ふと、心の中で何か思いだした気もした。





まだ窓の外に咲く桜は私を誘うように美しく咲いていた。