それから何も変わらず日が経ち



美月の記憶も戻ることはなかった。




いつも通り俺が飯を持っていけば、
春菜がいて。
少し空いた窓からはあの日と変わらぬ
春風が美月のさらさらのロングヘアを
優しく揺らす。




美月は何食わぬ顔をして
記憶を無くす前と変わらぬ笑顔で笑っている。




美月にストレスがたまらぬよう春菜も俺も竜二も気を使って美月に接し。
そんな日々を繰り返していた。



それはいいことなのか、
悪いことなのか。




俺は知りたかった。
何としてでもあの日何があったのか。






美月の本当の幸せを奪ったやつが誰か。