〜大河〜




俺は夜中の住宅街を全力で走る。
もっと。もっと。はやく。
頼む‥‥無事でいてくれ‥‥



がたんっ!
ドアを開くと

泣いている春菜と気持ち良さそうに寝ている美月がいた。



「美月、山小屋の近くで倒れてたんだって。
頭に打撲した後があるから上から落ちたんだと思う。
先生がね‥いつ‥美月が‥‥目覚ますか‥‥
分からないん‥‥だっ‥て。」



普段から気の強い春菜は
必死で涙を堪えながら言った。


「春菜。大丈夫だから。」



なにも大丈夫なんていう確信はないのに。



「なぁ、美月、俺待ってるから。
美月がいつもの笑顔で起きてくるの
待ってるから。」


いつ起きてくるかわかんないのに。


最後に美月と携帯で話した内容をみる。
『いまから人と会うから
終わったら連絡するね♫』



あれから、3時間後美月は病院に運ばれた。




なにがあったんだよ。





誰とあったんだよ。







教えてくれよ‥‥美月‥‥。