しかし、国がなくなってもこの戦争は終わらない。

宣戦布告したテロ組織同盟はまだ所在不明ながらも健在だし、人民軍や中東某国の軍も、国が崩壊したからと投降する訳ではない。

何故なら人民軍や中東某国の軍の兵士の大半は、既にナノマシン兵器によってディアボ化していたからだ。

ディアボは人間ではない、兵器だ。

恐れも絶望も知らず、一度命令を受けたら完了するまでその任務を遂行し続ける。

命令した当の本人が戦闘放棄して逃亡しようとも、自らは死ぬまで戦い続けるのだ。

無責任な指揮官の代わりに、命を失うまで戦闘を続ける。

こんな便利な『兵器』はない。

ディアボは戦争経済の最高の『ヒット商品』だった。