やがて馬乗りになっていた李が、谷口の首に両手をかける。

谷口の喉仏を左右の親指で押し込みつつ、強烈な絞め技。

「あ…がっ…!」

谷口が呻き声を上げる。

前傾姿勢で全体重をかけ、谷口を絞殺にかかる李。

何の躊躇いもなく、彼は親友を殺そうとしていた。

かつての友よりも任務の遂行を優先した結果の選択。

亡命した男など、既に親友でも何でもないという事か。

これまでと同じ無表情のまま、何の感情も示さず谷口を殺そうとする李。

谷口は無我夢中になって伸ばした手を。

「っっっっっっ!」

李の右目に突っ込む!

谷口に親指を突き込まれ、片目を潰される李。

流石にその痛みには耐え切れず、首を絞めていた手を放してしまった。