止むを得ず、谷口も9ミリ拳銃を抜いて応戦する。

山林の中では思うように命中しない拳銃弾。

単発でしか発砲できない分、攻撃力も劣る。

そして小銃のように多くの予備弾薬を持ち合わせている訳でもない。

両者とも有効打を与えられないまま、拳銃も弾薬が尽きる。

こうなると、もうCQCしかない。

「李いぃいぃいぃぃっ!」

谷口は腰の弾帯に差した89式多用途銃剣を抜き、一気に間合いを詰める!

逆手に握った銃剣を振り下ろそうとするものの、李は銃剣を持つ谷口の手を両手で受け止める!

力比べとなる両者。

必死の形相で睨み合う二人。

李は谷口の腹を軍靴で蹴り上げ、怯んだ隙に肘打ちで側頭部を打ち据える!