その呼びかけも届かないのか。

反応のないまま、どんどん呼吸が弱まる。

やがてその呼吸も途切れ。

「三浦君!」

麗華は小川を押し退け、心肺蘇生法を実行する。

胸骨の下半分、胸の真ん中に手の付け根を置き、少なくとも5センチ沈むように圧迫する。

肘を真っ直ぐ伸ばし、少なくとも1分に100回の速さで圧迫を繰り返す。

胸骨圧迫(心臓マッサージ)を中断し、鼻を押さえて胸部がふくらむよう息を約1秒吹き込む。

いわゆる人工呼吸。

人工呼吸を行う間隔は胸骨圧迫30回毎に2回が目安。

胸骨圧迫の中断は10秒以内とし、胸骨圧迫を再開する。