しかし三浦の事を思えば、迅速な救護が必要なのは当然だった。

もうこれ以上、現場の処置ではどうする事も出来ない。

設備の整った施設で早急な治療を施さなければ、命に関わる。

「…警戒を厳にせよ」

小川は言う。

「これより救護ヘリを要請、三浦を病院に搬送させる。人民軍にこちらの位置を特定されるのは間違いない。絶対にヘリを落とさせるな。何としても三浦を搬送させるんだ」

「了解!」

谷口が89式小銃に新しい弾倉を装填する。

小暮もまた、M4カービンに弾薬を込めた。