決して走りやすくはない山中を駆け抜ける小川分隊。

よくあの状況を切り抜けられた。

人民軍に悟られぬように閃光発音筒を爆発させた、小川の機転に救われた。

人民軍が閃光発音筒のダメージから回復しないうちに、少しでも距離を稼がなければならない。

そして、撃たれて傷を負った三浦の事も心配だった。

救護ヘリを要請し、早急に病院に搬送しなければならない。

応急処置は済ませているものの、三浦の脇腹からはまだ血が滲んでいる。

出血は止まっていなかった。