船尾甲板の水密扉から、艦橋一階居住区に突入した三浦達。

廊下の天井付近に無数の配管が走る、決して広くない通路の中で。

「何だこれは…」

谷口が絶句していた。

あのモスクワの惨状を思わせるような、艦橋に犇くゾンビ達の群れ。

腐臭が充満し、吐き気を催すような空気が艦内に淀んでいる。

元々の8番艦の乗員も含め、艦内の乗員の殆どはナノマシン兵器によってゾンビと化していた。

しかも。

「アイツ、国際指名手配中のアンサール・アル・スンナ軍の幹部じゃないか!」

M16A2で応戦しながらマットが言う。

「こっちにはパレスチナのハマースのメンバーだ」

ジェフが。

「レバノンのヒズボラやアイルランド共和軍、コロンビア自衛軍連合の連中もゾンビ化してる!」

三浦も叫ぶ。