三浦に近づく事ができないのは、小川達とて同じだった。

トンネル周辺を包囲するように陣形を組んだ人影は、容赦ない射撃で小川達を襲う。

谷口と同様に岩の起伏に身を隠す小川達。

「何だコイツら!近隣住民がディアボ化したのとは違うぞっ?」

身を隠したまま小暮が言う。

「小銃で武装してます!それに身のこなし…完全に一般人じゃありません!」

豊田もM16A5で応戦しながら言う。

そんな中で、小川は冷静に敵の持つ銃を見ていた。

58式小銃。

確かAK-47のライセンス生産型だ。

製造しているのは、テロ組織同盟と手を結んだアジアの某国。

という事は、この敵兵は某国の人民軍か。

「そんな事より!」

麗華が悲鳴のように声を上げる。

「早くしないと三浦君が!」