小川の息を呑む気配があった。

『間違いないのか?』

「はい、マットが双眼鏡で、二人の動く姿を確認しています」

三浦はマットと顔を見合わせる。

「小川分隊長、何とか救護ヘリを要請できませんか?」

『……』

小川の返答はない。

ヘリを危険に晒せないと、司令部から言われたばかりだ。

「だったら」

三浦は言う。

「俺達が墜落機付近のゾンビ達を引き付ける囮になります。絶対に救護ヘリに近づけさせません、それでどうですか?」