「くそ…」

88式鉄帽を被った頭をゴツン!と拳で殴り、三浦は頭を働かせる。

「考えろ、考えろ…」

思考を巡らせる三浦。

こんな時、小川分隊長ならどうする?

三浦は尊敬する上官の身になって考える。

どんな窮地からでも部下を救い出し、数々の困難な任務を遂行してきた隊長に相応しい人物。

あの日、紛争地帯ダルフールで小川に出会えた事で、三浦は犬死にする事なく、こうして精鋭部隊の一員として今も一線級の活躍をする事ができるのだ。

小川は三浦の命の恩人だ。