生きてはいるものの、二人は墜落のショックで意識を失っている。

それがよかったのだろう。

下手に騒いだり悲鳴を上げたりしなかった事で、ゾンビ達は二人の存在にまだ気付いていないのかもしれない。

「よし…いいぞ、生きているなら救出できる」

三浦は疲労し切った手でM4カービンを握り締める。

「だが、あの墜落地点に向かうにはゾンビの数が多すぎる」

マットが正論を吐く。

この赤の広場だけでも、数百のゾンビがいる。

あの群れの中で、墜落機の中から麗華とコートニーを引き摺り出し、安全圏に移動させる事は出来ないだろう。